健康には身体の健康と心の健康があります。では、身体の健康とは何でしょう?運動器と臓器疾患を除いた場合、健康とは「若々しい血管」を保つことです。
生活習慣病である糖尿病、高血圧、脂質異常症の治療の目指すものは、動脈硬化の進展(血管の狭窄・石灰化)の予防です。動脈硬化は血管の中が狭くなり、血液の流れが悪くなって、脳梗塞や心筋梗塞など様々な病気を引き起こします。
日々の診察で血糖値、血圧、コレステロール値をコントロールすることは大切ですが、動脈硬化の原因には慢性腎臓病、喫煙、心臓病の家族歴、年令、性別などがあります。
また、高齢者の方々は複数の病気を持つ方が決して少なくありません。
つまり、個々の病気でなく全身を管理してはじめて動脈硬化の予防ができ、そして健康が得られるのです。
そのため、当院では動脈硬化の予防に積極的に取り組み、頚動脈エコーを大切な検査に位置付けて脳・心血管障害の予防を行っています。
慢性腎臓病は糖尿病や高血圧などにより腎機能が慢性的に低下した状態で、世界的に増加しています。
透析だけでなく心血管障害が生じやすいため、注意すべき病気です。日本は長寿国ですが、それは病気を患っている期間が長くなることにつながり、慢性腎臓病のような合併症が生じてきます。健康長寿を目指し、糖尿病・高血圧の方は早い段階で治療管理に取り組みましょう!